劇団「自作自演」
「ムスクの女。」
ブラックボード作戦は、2回目ということと、青山くんがいたということもあって、スムーズに事が運んだ。
ただ、前回と違うのは、冷静だったことだ。
敦くんも青山くんも、冷静に、クールに、私へのある意味で心ない罵詈雑言をスラスラと書いた。
誰一人奇声を発することなく、筆圧を強くすることなく、そして、笑顔もなかった。
クラスの反応を楽しみにもしていなかった。
正直、衝撃のラストシーンを各々思い描いてしまっていて、その課程の作業に心躍ることがなかった。
どうでもいいのだ、こんなことは。
私がいじめられていることをクラスに浸透させるために必要なだけであって、その作業を致し方なくやっているといったモチベーション。
この晩、私は白けていた。