劇団「自作自演」
「んで、一番現実的なのは、『ドラマのようないじめが行われるクラス』だな。これは、何とかなりそうじゃないか?」
「私たちが主犯格、つまりはいじめっ子になって、誰かをいじめるってことだよね?」
「それも一つの案としてアリだな。」野崎くんは含みを込めて言った。
「でも、それだと高みの見物ってわけにはいかないだろ? オレたちはあくまでクラスを抽象的に見る立場にいなくちゃいけねえ。」
ごもっともな意見だった。
野崎くんの言う通り、私の望み____或いは私たちの望み____は、クラスがぶっ壊れてしまうところをまるで、事件事故が近所で起こった時に群がる野次馬のように見物することだ。
「なら、何かいい案でもあるの?」
野崎くんは、私が思いもよらなかったことを言った。