劇団「自作自演」
「ずっと親友でいようね?」
ブラックボード作戦が見事成功し、その日から私は、誰からも話しかけられなくなった。
完全な孤独の渦中の私を敦くんは、徹底的にいじめてきた。机や持ち物にラクガキをしたり、授業中に消しゴムを投げてきたり。
それが敦くんのグループを中心に徐々にだけど、浸透してきた。敦くんのことが好きな女子グループからも無視されることになった。
敦くんのいじめ方は、とても演技だとは思えないほど、リアルだった。
でも、こうしていじめを受けてみて、感じたことがある。
いじめは演技だとわかっていても、心に、思わず頬の筋肉が緩むような、恥ずかしいような、そんな気持ちになる。
これを「悲しい」とか「寂しい」といった形容詞で表現するには、あまりに稚拙だ。
演技だとわかっていてもこれくらいのダメージを受けるんだから、本当にいじめられている人のことを考えると、胸が痛む。