劇団「自作自演」
「悪くないね。」
私も青山くんと同じ意見で、黙って頷いた。
「段取りは、朝、オレが意味もなく香澄さんの机を蹴り飛ばす。『いつになったら死んでくれんだ?』といった感じで、いつものように派手にな。それに香澄さんは、とうとうキレる。自分の椅子を持ち上げて、それをオレたちグループに向かって投げろ。」
「もし当たったらどうしよう……。」
「当てにいかなくていい。オレたちグループは大抵、ロッカーの上に座ってる。床に叩きつけるように投げれば充分だ。」
「ロッカーだけに、ロッカーに座るんだねえ。」
くだらないダジャレを言った青山くんを私と敦くんは睨みつけた。アルバイトの女の人だけがクスッと笑っていた。
「……続けていいか?」
「ああ、すまない、親友。そして、坂本さん。」