劇団「自作自演」
私はこの日も敦くんのアパートに泊まった。
「いいか? 右に刺すからな。」
私は血ノリを受け取った。カッターは敦くんの家にはなく、晩御飯とついでにコンビニへ買ってきたものを使うことにした。
「私が刺そうとするけど、揉みあって、私はカッターを離せばいいんだよね?」
「ああ。なるべくその場に落とすか、オレと揉み合いになって、奪い取られる形でもいい。あとは、焦らしつつ、青山の表情をじっくり見て楽しむ。しかし、始業のチャイムが鳴る前にカタをつけなきゃならねえ。」
本当はもう一人、村人Aの北條すみれという役者もいるんだけど、それは敦くんには黙っておくことにした。