劇団「自作自演」
予定通り教室へ向かう。
天気のせいか、教室の入口からは、絢爛さは一切感じられず、淀んだ空気の漂っていた。
私の理想とする1日の始まりに相応しい、ホームスタジアムだ。
教室へ入っても「おはよう!」は聞こえない。
私はラクガキのされた自分の席に着き、深くため息をついた。
「今日の私は機嫌が悪いんだぞ。」と周りにそれとなく知らせるためだった。
ふと、同じ列の一番前の席に座っている北條さんと目が合った。
微笑みかけてみた。
北條さんは、何かを悟ったらしく、微笑みが返ってきた。
言葉はなかったけど、私にはこう聞こえた。
「まあ、せいぜい頑張りなさいな。」と。
いかにも北條さんらしかった。