劇団「自作自演」





その瞬間、私は自分でもわからない行動を取っていた。



周りにいる全ての人が私に注目した。



私は、ああ、私は涙を流している。



悲しいんじゃない。泣いているんじゃない。



口を大きく開けて、笑っているのだ。



笑うしかないのだ。バカバカしくなった。



自分の中に眠っていた怪物、モンスターに身体を乗っ取られたような感覚。



これから何をするか、自分でもわからない。



制御不能。でも、どうにでもなれ! そう思った。



椅子を持ち上げ、思いっきり敦くん目がけて投げた。



その椅子を敦くんは、交わし、掃除用のロッカーに当たった。



椅子の木の部分が、砕けた。




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