劇団「自作自演」
さて、思想、哲学はこの辺にして。
問題はボールやバットをどう用意するか、だ。
敦くんは、教室のロッカーの上に座って、5、6人の友達と何やら楽しそうな話をしている。
敦くんのその目は、笑っていない。笑っているフリをしているだけ。でも、その奥の奥では、笑っているに違いない。
「こいつらのくだらねえ話にオレは今、合わせてやってんだよ? ンなことも知らねえのか? バカめ。」
といった感じで。
そんな敦くんにいじめられっ子を演じる私が今、急に話しかけると、敦くんはどういう反応をするだろう。
……一応、試してみるか。