劇団「自作自演」





さて、思想、哲学はこの辺にして。



問題はボールやバットをどう用意するか、だ。



敦くんは、教室のロッカーの上に座って、5、6人の友達と何やら楽しそうな話をしている。



敦くんのその目は、笑っていない。笑っているフリをしているだけ。でも、その奥の奥では、笑っているに違いない。



「こいつらのくだらねえ話にオレは今、合わせてやってんだよ? ンなことも知らねえのか? バカめ。」



といった感じで。



そんな敦くんにいじめられっ子を演じる私が今、急に話しかけると、敦くんはどういう反応をするだろう。



……一応、試してみるか。




< 33 / 307 >

この作品をシェア

pagetop