劇団「自作自演」
「まあ、イージーなことだ。オレは休み時間……確かリーディングの後の休み時間だ。イツメンに言ってやったんだ。『なんか坂本ってキモくねえか?』って。」
「それで周りはなんて答えたの?」
敦くんは驚いたように顔を上げた。
「え、何? まさかアンタ、オレのイツメンの中に好きなヤツでもいんの?」
「ハア!?」私も負けじと額を付け合わす勢いで顔を上げた。
「なんでそういうことになるわけ?」
「じゃあ、バカなんだな。オレの言った言葉の意味がわからねえ、バカ。香澄さん。アンタ、バカだ。」
「バカは敦くんの方でしょ! 私が周りがなんて言ったかを訊いただけで、『好きなヤツでもいんの?』って訊くんだもん。飛躍し過ぎのバカ。それもニールアームストロング級。」
敦くんはお得意のポーズで私に言った。
「オレは、周りが何を言ったか訊いたことがバカだって言ってんだ。バカは、そんなことは訊かねえし、気にしねえ。」
「じゃあ、模範解答は?」