劇団「自作自演」
「ねえ、敦くん。そろそろ大々的な行動に移らない?」
「大々的?」敦くんは、首をもたげた。
「徐々に浸透させるって計画は、頓挫か?」
「失敗じゃない。あれは、アイツらがサイボーグじゃない、人工知能を持ったAIじゃないことの証明として、大成功と言っていいと思うの。」
「人間の本質を見たってわけだ。」
「そういうこと。でも、それと同時に私の心の中に、ある欲が出てきた。ものすごい欲。アルコール中毒患者並みの。」
「喩えがクレイジーだな、香澄さん。」
敦くんは、お決まりのポーズをとった。
「で、具体的に何がしたい?」