劇団「自作自演」





そして、その疑いが敦くんなりに積み重ねてきた私に対する「信用」を崩してしまうことになる。



「オレを騙す気なんだな。その手には乗らねえよ。」



そう言って、私を騙し、陥れるかもしれない。



完全なる誤解だけど、騙されるくらいなら、騙した方がいいに決まってる。



そういう歪んだ考えを持っているからこそ、劇団「自作自演」は立ち上げられたのだ。



錨を上げろ!



帆を張れ!



船出の準備に甲板を船員が行ったり来たりしている。



それは、私の心の中を航海中の海賊船で、私の動揺が嵐となって、船員たちを脅かす。




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