劇団「自作自演」
「致命的なミス。」
屋上で仮眠を取った私たちは、チャイムの音によって目を覚ました。
「しっかし、チャイムが目覚ましってのも悪くねえな。悪くねえよ。なあ? そうだろ?」
寝起きが悪い敦くんがこれほど上機嫌なのは、よっぽどのことだ。
私と同じように興奮しているんだと思う。この先に起こるクラスの惨劇、動揺、序章を目の当たりにすることを。
もちろん、昨晩学んだ。十分に頭に叩き込んだ。
私たちは信頼しちゃいけない関係なんだ。
でも、屋上のアスファルトに寝っ転がりながら、こうも考えた。
信頼はしちゃいけないけど、歩み寄ってはいけないこともない。