暗闇の果てに
「アース!お前はなんでいつも、いっっっつも最下位のくせに今回のテストは首席をとれたんだ!!」



そう言って、アースの背中をバシバシと叩く。


「痛い、先生!というか、俺は最下位じゃなくて、ただ、最下位に近いだけだ」





…………彼は何か、秘めたとこらがある。
他の学生とは何かあきらかに違う雰囲気を持っている。

普段は明るいアースだから、周りの奴らにはきっとわからないのだろう…………
友達に囲まれて、笑い合う姿は、他の学生と変わりないのだから。

しかし、他人よりも鋭い(らしい)自分は、笑顔の裏の悲しみを、辛さを、感じ取れるのだ。


何がそんなに苦しめているのか、それを知りたい。



きっと昔の俺ならそんなこと、思わなかった………



だけど、アースには人を惹き付ける何かがある。
何か神々しいものを感じ、彼を救ってやらなくてはと思う。





いつか、いつの日か、あいつが心から、純粋に笑える日が、普通の学生として過ごせる日が、来るのだろうか………?


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