暗闇の果てに
活気のある、商店街。

道行く人々は大勢で、気を付けていないとぶつかってしまいそうになる。


店頭には、さかんに大きな掛け声で客を呼び止める人たち。



アースはそんな人々を見つめ、悲しげに顔を伏せる。
そしてまた、人の間をすり抜け、早足で歩き始める。





やがて商店街を通り抜け、さっきとは比べものにならないくらい、こじんまりした家々が立ち並ぶ地区へ出た。


外を歩く人々に活気は感じられず、忙しそうに俯き気味で歩いている。



ここには、一日一日を生き抜くだけで精一杯で、人生の余暇を楽しむ暇などない人々が住んでいる。


…………いわゆる、貧乏人なのだ。


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