暗闇の果てに



空は黒く厚い雲に覆われどんよりとし、今にも降り出しそうな様子である。


そんな中を金色の髪の毛が乱れているにも気を配らず、赤い瞳に怒りの炎を燃やし、はやい足取りで歩いていく少年がいる。




なんでなんだなんでなんだなんでなんだ!!



と少年はとりつかれたかのように何度も何度も呟いている……



(どうしてあいつなのだ!!いつも首席のこの僕があいつなんかに負けるはずがない)


ぽつりと雨が降り出した。

(僕は毎日毎日必死で勉強して、父上と母上を喜ばせようと頑張っているのに!!
いつも真面目に授業なんて受けず、さぼっているようなあいつがなぜ首席をとるんだ……)



ぽつぽつと降っていた雨はいつのまにかざんざん降りにかわり、そこでやっと少年は自分がずぶ濡れであることに気が付く……


しかし今の少年には体を激しく打つ雨も体に張りつき気持ちの悪い上着も水溜まりを思い切りはねる汚れた靴も全く気にならない。





少年をとりまく憎悪しか感じなかった……





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