ベル姫様と溺愛ナイト様
「いらっしゃいませ」

「……あれ? こないだの兄さんじゃねぇか!
え、何でエプロンしてんだ?」

夕方。
いつも通りに現れた常連の男が、驚いたように目を見開いてレイを見つめた。

「今日からうちの従業員だ。
よろしくな」

「よろしくお願いします」

ジェミロがなんでも無いように言い、レイは丁寧に頭を下げた。

「こないだあんなに目つきが悪かったのに、どうした!
急に働くとか!
しかもジェミロを殺しかけた張本人が一緒に仕事とかっ!」

なんじゃそりゃ、がははと笑いながら、男はいつもの席に腰をかけた。

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