ベル姫様と溺愛ナイト様
「ま、色々あんだよ。説明し始めると長くなるし面倒くさい。
放っといてやれ」

「ああ? まぁ、いいけど。
それで昨日休みだったのか?」

ジェミロ。また面白そうなことしてんだな、と、男はやっぱりがははと笑った。

気風の良い女主人と可愛い看板娘が働く町で人気の飲み屋は、今日からイケメンウエイターも加わって、ますます賑やかになった。

「おいジェミロ、ますます繁盛しそうだな?
お前は面白いし料理が上手いし、ベルちゃんは可愛い。
で。こいつだろ?
女の客が増えそうだな」

ビールジョッキをせわしなくを口に運びながら男は笑う。

男の言葉に、ジェミロは、ははっと笑った。

「ま、一時女の客が増えても、すぐ減るかもな。
あいつ、マジでベルしか見てないから」
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