ベル姫様と溺愛ナイト様
「あいつ、俺を放ったらかしといてずっとベルちゃん眺めてたのか……。
お陰で公園で寝るハメに……」

「よくわかんねぇが、メロゥ、どんまい」

ぶつぶつ言うメロゥと、がはは、と彼の肩を叩く男。

「ジェミロ、奥のテーブルの客が寝ちまってる。
どうする?」

「お、噂をすればご本人登場ってか」

「だな」

笑い合う大男二人を怪訝そうに横目で見やりながら、レイはジェッミロの返答を待つ。

ジェミロは言われたテーブルに目をやり、ああ、と頷いた。

「あの客、すぐ寝ちまんだ。
暫く放っておけば勝手に起きて、会計済ませて帰るから」
< 117 / 260 >

この作品をシェア

pagetop