ベル姫様と溺愛ナイト様
二人が消える直前に、熱で火照った顔で、姫の手を握りながらあの馬鹿ナイトが「ありがとう」っといった気がしたのか気のせいだろうか。
俺の姫を助けてくれてありがとう、と。

「多分、気のせいじゃないんだよなぁ……。
あいつがねぇ、小声で……」

ぶつぶつ言いながら歩く大柄な男に、たまたま通りかかった兵士が怪訝そうな顔をした。

「ありがとうってな、実はレイに言われる筋合いもないんだよな。
俺だってベルちゃんの兄貴分だから助けるの当たり前だし、そもそも主君を助けただけなわけで」

わざわざ礼を言うことがどういう事なのか。
考えてメロゥは笑ってしまった。
< 137 / 260 >

この作品をシェア

pagetop