ベル姫様と溺愛ナイト様
「少しでも知ってるかも知れないんだな?  
なら、尚更話しを聞こう。
お前、名前は?」

おねぇ! と、後ろから抗議の声が聞こえるが、女は気にはしない。

「レイラカだ。
姫は物心ついた頃より、私をレイと呼んでおられた。
姫のナイトであり、姫を一生隣で守るために生まれてきた男だ」

はあ……。
ジェミロは盛大にため息をついた。

「ナイトだってぇ?
暑っ苦しい。
お前、だいぶ面倒くさそうなヤツだな」

「うるさいぞ、女!
事実を述べたまでだ!」

「やめてったら」

言い合いを始める2人を、今度はベルが間に入って止める。
睨み合う2人は、ベルを見つめてお互い肩の力を抜いた。

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