ベル姫様と溺愛ナイト様
「えっと……。お名前をお伺いしても？」

おずおずと尋ねる丸めがねの青年に、メロゥは笑った。

「ああ、俺はメロゥだ。
一緒に住むんなら、固っ苦しいことはなしな。
今から敬語、使わないぞ？

そうだなぁ……。城で傭兵として働いている。

で、アイツはレイだ。
見ててわかると思うけど、ベルちゃんを溺愛しているジェミロの店のウエイターだ」

けけっと笑いながら紫髪の青年を指差すメロゥ。
シュシュも合わせて笑う。

「これから楽しくなりそうですね。
嬉しいです。メロゥさん、背中を押してくれてありがとうございます」

「え？　俺はそんな感謝されること、してないぞ？」
その時ジェミロが振り向いた。

「ほら２人とも！　早く来い！
仕込みまだ残ってんだよ！
野菜買って早く一緒に帰るぞ！」

「一緒に帰る」と言うジェミロの言葉に嬉しくなったシュシュは、夢見がちな気分でふらふら歩いて、メロゥに補助されていた。




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