ベル姫様と溺愛ナイト様
「おねぇ達、楽しそうだね」

「ああ、さっきよりもはしゃいでる」

豪快に笑うジェミロに、再度ベルがカウンターを見やった。
でも、ベルの耳には会話は途切れとぎれに聞こえていて、どうして盛り上がっているのか分からなかった。

全てを聞こえているレイは、そうだった、メロゥおままごとしてたっけ、と幼い記憶を引っ張り出して、笑いたい気持ちを堪えていた。

「ん? どうかしたの?
レイ、手が震えてるよ?」

「な、なんでもないっ……!
ふっ……」

笑いを堪えて、カードを持つ手が震えるのをどうにか堪えながら一枚カードをテーブルに差し出す。

「やった、またわたしの勝ち!」
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