ベル姫様と溺愛ナイト様
「先生、原稿の締切が迫ってて忙しいんじゃないの?
買い物に付き合わせちゃってごめんね?」

「いえいえ、たまには息抜きしないと。
ずっと部屋に篭っているとストレスが溜まりますからね。
町を歩くのも買い物も、良い気分転換です」

それに、レイに頼まれましたから……。
と言う言葉は、寸でのところで飲み込んだ。

シュシュはレイに「俺が居ない間、ベルを見ていてくれ」と頼まれていた。
メロゥは「過保護。半日くらい大丈夫だろ」と笑っていたけど。

シュシュは隣を歩く無防備で無自覚な美少女に目をやり、出てきてよかった、レイの心配も最もだ、と思った。

「さ、何を買いに行くんですか?」

「えっとね、まずは……」
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