ベル姫様と溺愛ナイト様
「え、でもベルはお前達に会うまでは普通の町娘だったぞ?
そんな神秘の力? を使ったのも最近だし、もう16だ。15は過ぎている」

戸惑うジェミロと、その隣でぽかんとしているベルに苦笑いを浮かべる。

「記憶喪失で国を忘れていて、俺とも離れていたから。
なんでもかんでも忘れていたんだな。

それで力を発揮することが少し遅くなっていたんだろう。
だけど、力を手にしてしまって、思い出してしまった今。
もう放っておけないところまで来た。

このままだと、さっきも言ったけど……」

言いよどむレイの横で、メロゥが険しい表情を浮かべていた。

「ベルちゃんの内でくすぶっている力、開放しよう。
じゃないと本気で危ない。
そのためには、王国の復興しかない。

ベルちゃんは、国を支える程の力を持ってるんだぞ?
その力を体にずっと溜め込んだままにしていたらどうなるか……。

ちょっと考えてみてくれ」
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