ベル姫様と溺愛ナイト様
「え、いや、そんな……。
ぼ、僕は部屋に戻って原稿書きますから!
で、でででではっ!」

褒められて照れたシュシュは、原稿やらペンやらを慌てて腕に抱えて2階の自室へと走って行った。

「あ~あ。あいつ前からああなんだよな」

くつくつ笑うジェミロが楽しそうに彼の背中を見つめていた。

「説明上手で表現豊かで紙の上ではなんでも書けるけど、指摘されると照れるってとこ?」

メロゥの言葉にジェミロが笑い声を大きくした。

「うぉっ?! メロゥにもバレてるし!
もしかしてあいつの本でも読んだのか?」

「いや? 俺は本を読むタイプじゃないしな。
ただ、新刊出たときに町とか城の中でも噂になってるから。
それに、見てれば分かる」

「あっはっは! そうだな!」

なにやら吹っ切れたらしいジェミロはメロゥの肩を叩きながら笑っていた。
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