ベル姫様と溺愛ナイト様
「そ、それで、わたしは……?」

「おーい、ジェミロ、ベルちゃん、今日も来たぞ~。
って、あれ? 開店時間で合ってるよな?」

ベルが不安そうに口を開いたところで、チリンとカウベルが鳴っていつもの常連の男が現れた。
支度が整っていない、いつもと違う店の状況に驚いている。

「あ、おお、お前か。
ちょっとな、色々あってな。
まぁ座れ」

ジェミロはああ、仕込み途中だったな、と頭を掻きながら男を迎え入れた。
話し込んでいるうちに、思った以上に時間が経っていたようだ。

「ま、どんなことがあっても仕事は仕事だ。
今日も仕事、始めるか!

ジェミロは意を決したように手を叩いた。
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