ベル姫様と溺愛ナイト様
「お待たせ!」

大きなバックを手に店に降りてきたベル。
レイもメロゥもベルを見やり、手を振った。

「昨夜はいきなり眠り出すんだからな、ベルは。
驚いた。調子はどう?」

テーブル席でのんびりとコーヒーをすする2人のもとに駆け寄って、ん? と首を傾げるベル。

「あれ? じゃあ部屋に運んでくれたのってレイなの?」

レイの隣りに腰をかけながら、不思議そうな表情を浮かべている。

「覚えて……ないかぁ……。
うんまぁ、前もそうだったし、わかってたっちゃわかってたけど……。
ベル、酒弱すぎ。危なっかしいから当分禁止」

「さすが過保護ナイト。けけっ」

「うっさいメロゥ」

2人はいつもの小さな言い合いと小突きあいを始めた。

笑いながら見ていると、目の前にプレートとドリンクが差し出された。
ジェミロ特性のサンドイッチとサラダ、それにレモン水だ。
全てベルの好物で、彼女は嬉しそうに姉を見上げた。

「ありがとう、おねぇ……」

「いいって、ほら、食べな?」

優しく微笑まれて、ベルは頷いた。
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