ベル姫様と溺愛ナイト様
ベルの脳裏に、失っていた記憶が鮮やかに蘇る。

小さなベル、小さなレイ。
それに、今より若いメロゥ、大好きだったメイドさん。

大きすぎないけど、綺麗で洗練されたお城。

微笑むお父様とお母様……。

ベルは静かに涙を流しながら、それらを感じていた。

「ベル、泣かないで……?」

レイはベルの瞼に唇を寄せた。

「レイ……」

「あーあ、バカナイト様よぉ。俺、いるんだけど?」

いつでもどこでも誰がいてもイチャイチャしやがって。メロゥは苦笑いを浮かべている。
メロゥの反応を無視して、ベルにキスを落し続けるレイに、やれやれ呆れた、とでも言いたげにオーバーに両手を上げて左右に首を振ってみせるメロゥ。

「それにしても……」


< 225 / 260 >

この作品をシェア

pagetop