ベル姫様と溺愛ナイト様
メロゥが唸っているその時、ごごっ……と、大きな音がした。
岩が動くような、何かがこみ上げてくるような。
自然が動いた、そんな音だ。

「ちょ、え、え、まじか……?!
レイ! ベルちゃん!!」

目を見開いたメロゥが、2人を叫ぶように呼んだ。

「あ、あれ……?」

「メロゥ、邪魔すんなって……。
って、うわ、出来てるし……」

こんなにあっさりと。
大きな湖の真ん中に、突如として城が立っている。

「ベルの力の強さが伺えるな……。
もしかして、力が強いと言われていた先代の女王様より、強い力を持っているかも知れない」

レイは腕の中にいる小さな少女を優しく見つめた。

「わ、わたし分かんないよ……?
レイからもらったイメージでお城を創りたいなって想っただけで……?!」
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