ベル姫様と溺愛ナイト様
「姫が……。
孤児院でお過ごしに……?」

青年は驚いたように目を見開いた。
そして、顎に手を当て考える素振りを見せる。

「姫が連れ去られて行方不明になったのが10年前。
女王様とナイト様がお亡くなりになり、戦争が激しくなったのが8年前。
お前と姫が出会ったのが5年前……。

お前と出会う前の、連れ去られてからの5年間、姫は何処にいらしてどういった暮らしをなさっておいでだったのか……。
5年もの間、ショックで記憶を忘れるほど、ひどい目に遭われていたのか……?」

大事な姫君の5年もの空白……。
何があったのか、よからぬことがあったとしたら……!
青年は、青ざめた。

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