ベル姫様と溺愛ナイト様
「姫……!
思い出して頂けたんですね……?
良かった……!」

ジェミロは呆気に取られた。
大事な妹を、今日出会ったばかりの青年に奪われてしまった気分だ。
なんだか悔しい。
悔しいが、似合いのカップルだ。
そう思った。

「べ、ベル……?
じゃあ、本当、に……?」

驚くジェミロに、彼の腕に収まったままの状態で頷くベル。

「全部思い出したワケじゃないんだけれど……。
お城のことと両親のこと、それにレイのことは思い出したわ。
そうよ、レイはわたしのナイトなの……。
あの日まで、ずっと一緒に育ったの……」

あの日……。
それは、ベルが連れて行かれた日のことか?
ジェミロもレイも、気になりつつも深く聞くことが出来なかった。
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