ベル姫様と溺愛ナイト様
「もしもしお二人さん?
あたしの目の前でイチャイチャすんの、やめてくんない?」

姉の前でよくもまぁ、と言う言葉に、ベルはあっ、と小さく声を発してレイから離れた。

「そ、そんなつもりはっ……!
ご、ごめんなさい……」

確かに自分でも、目の前で男女が抱き合い始めたら居たたまれないだろう。
そう思ったベルは素直に謝った。

「いやまぁ、良いんだけどよ……。
さすがに姉ちゃんびっくりしたわ!」

やれやれ、と両手のひらを上にあげて肩をすくめて見せるジェミロ。

「で? これからどうすんだ? レイは」

席に座り直したベルとに嬉しそうなレイを交互に見やり、ジェミロは硬い表情で問う。
早速姫を連れて帰る、なんてナイトに言われ、妹を取り上げられたらたまらない!
< 59 / 260 >

この作品をシェア

pagetop