ベル姫様と溺愛ナイト様
「お前、忘れといてそれはなくないか?」

ジェミロは一日で、これだけは分かった。
レイは、ベル以外にはとことん興味がなさそうだということだ。
それにしても、相棒にもそんな態度か……。
ジェミロはは~あ、とため息をついた。

「ちょっと公園見てくる。
いるかどうか分からないが」

レイはかたりと席を立ちベルを見つめて、姫、行って参ります、と挨拶をした。
今にも閉じられそうな紫の瞳をとろりとさせながら、ベルが寝ぼけているのか、頷いてふんわりと微笑んだ。
ベルのとろけるような笑顔にレイは頬を赤らめて、その赤い顔を見られたくなかったのか、荷物を慌てて担ぎ、歩き出した。、

「ああ。まぁいたんなら、そいつも連れて戻ってこいよ?
待ってるからな?
ほらベル、お前は先に部屋に戻って寝てな?」
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