ベル姫様と溺愛ナイト様
「急すぎるってんだよな……。
さて、レイは戻ってきたかな?
あ、相棒? はどうなったろう……」

独り言をつぶやきながらジェミロが階段を下りたとき、丁度正面の玄関が開いた。
すっかり明るくなった外の光が、店に差し込む。

「ああジェミロ、
待っていてくれたのか。こいつだ」

「……うちの国のバカナイト様がお世話になったようで……。
それにこれからお世話になるようで……」

レイの後ろで一礼して顔を上げる一人の男。
あまりに大柄でがっしりとした体格の男に、ジェミロは一瞬驚いてたじろいた。

「ジェミロ、メロゥだ。
公園のベンチで寝てたからたたき起こしてきた」

「おいナイト様よぉ……。
俺の扱い、雑すぎやしねぇ?
とりあえず年上だし、お前に剣術教えたの俺じゃなかったか?」
< 71 / 260 >

この作品をシェア

pagetop