ベル姫様と溺愛ナイト様
「レイ……」

「どうした?」

「抱っこ……」

「え?」

ふらりと立ち上がったベルは、隣りに座るレイの上にどさりと落ちるように抱きついた。
首に腕を巻きつけて、胸に顔を押し付け、両膝を床につけている。

「ちょっ……?」

驚いて一瞬動けなかったレイだがすぐに我に返り、床に膝を付く姫を抱き上げた。

「姫が床に膝なんかついてちゃいけないでしょうが」

レイの膝の上に横抱きにされたベルは、レイの咎める言葉を聞いているのかいないのか。
ふふっと笑いながらますます彼の首に腕を巻きつけて、頭を肩に預けた。

そんなベルの態度にレイは頬を赤らめて、でもしっかりと落とさないように抱きしめて。
よしよし、と背中をとんとん撫でた。

「……衝撃的なんだが」

ジェミロはぽかんとしている。
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