ベル姫様と溺愛ナイト様
至近距離で見つめ合う二人。
それを姉であるジェミロと兄であるメロゥは、うんざりとした表情で見つめていた。

「まだ子どもだと思っていた妹が、酒に酔って男と抱き合ってるシーンを見ることになるとは……。
本当に、本っっっ当に思ってなかった」

急すぎる、昨日から色々起こりすぎだ。
ジェミロは頭を掻きながら、見ていられない、と目をそらした。

「おいおいナイト様よぉ?
俺だってな? ベルちゃんもそうだけど、お前の兄貴分でもあんだぜ?
子どもの頃ならまだしも。よくもまぁ今堂々と」

目をそらせた二人同士で今度は目が合ってしまって、揃って苦笑いを浮かべる。

「るせぇ……。
これからは一緒なんだよ、文句あるか?」

大事にベルを腕に包み込み、レイは二人を睨むも、その顔は真っ赤で怖さの欠片もなかった。

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