雨の日のシロ
「…じゃあ行こうか」


センリがわたしの肩を抱いて歩き出す。


「どこに?」


「俺、さっきの彼女とイイことする予定だったんだけど。サワが代わり相手をしてくれるってことでいいんだよね?」


耳元でそう囁かれてわたしは無意識に首を縦に振った。


センリと一緒に入った西洋のお城をイメージして作られたラブホテル。


心臓がすごい速さで鼓動を打っているのがわかる。


センリとそうなることを望んでいたのはわたしだった。


「センリは…好きな子じゃなくても抱けるの?」


「…抱けるよ」


そう短く呟いたセンリに、わたしはセンリに好かれてないんだと思い知らされた。
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