雨の日のシロ
「ちっ…千里」


そうわたしが口にした瞬間、センリがわたしに唇を落とした。


センリとの初めてのキスは優しいキスなんかではなく、本能で求めあうかのような激しいキスだった。


久しぶりに包まれたセンリの体温、センリはわたしにその体温を感じさせる余裕など与えないかのように、


激しくわたしを求めてきた。


センリの綺麗な背中に爪を立てて何度も何度も、終わりなんか見えない程にセンリはわたしを絶頂へと導いて、


その度にわたしは彼の本当の名前を何度も何度も口にした。


センリ…わたし、今すごく幸せだよ。


わたし、わかってるんだ。


センリはいつもわたしが次の日に目を開けるとその瞬間、もうセンリの姿がここにはないってこと。


センリに抱かれて、わたしは幸せでした。
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