雨の日のシロ
香織は小さいころから近所に住んでいて、従姉妹というより幼馴染みのような、


いつも一緒にいるのが当たり前のような関係だった。


でもそれ以外に香織は俺の初恋だった。


今はもう恋愛感情はないけど、香織が大切な存在というのは変わらない。


だから彼氏が出来て嬉しそうに笑っている香織に心から喜んだ。


「俺ちょっと直之と話してくる」


「千里くん、わたしも一緒にっ…」


「男同士の方が腹割って話せる場合もあるんだ。香織は心配するな」


そうして俺は香織の家を出るとすぐに直之を呼び出した。
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