雨の日のシロ
いつも行きつけの飲み屋に行くと直之はすでにカウンターに座っていて、俺を見つけるなり軽く手を挙げた。


「よっ!久々だな、千里。生きてたか?」


仕事が忙しく香織ともだけど、直之と会うのも久々だっ。


「相変わらずだよ。仕事は忙しいけどな」


お互いにビールを頼んで直之との久々の再会に乾杯をする。


直之はいつも通りに変わらない態度で、直之が浮気してたなんて香織の気のせいなんじゃないかと思うほどだった。


だけど、香織は直之本人から直接聞いたんだ。


香織のあの憔悴しきった顔を思い出して俺は本題を切り出した。
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