アンティークドール



「本気でショック受けてんの、満。早くやってしまうわよ」


星麗那が俺の肩をポンポンと叩いて、苦笑いをした



「………まじショックだし」


俺は最初はそのままずっと立ち尽くしていたが、ようやく正気に戻ってきて作業にとりかかった



他の男子も俺と同じで服を着ているのだからと、必死で解釈した


「満君!あそこのお客さんのオーダーをとって来てちょうだい」


同じクラスの女子が厨房から俺に言ってきた


あまりこの格好を他の奴に見られたくないが、仕方ない仕事だ



「…ご注文は?」


「キャ~!君可愛いね、名前なんて言うの?教えて!」


ケバい女子が冗談半分に言う



「…ご注文は…?」


「んーっ?ショートケーキで」


「はい、わかりました」


俺はオーダーを聞いてから厨房に伝えるために、歩いて行った





< 116 / 208 >

この作品をシェア

pagetop