アンティークドール



「満…」


星麗那は儚げな表情を宿して、ゆっくりと俺に近付いてくる


「…満、あたしはどこにもいかないから…大丈夫だよ」


フワッと、柔らかい空気につつまれて、ほのかに甘い星麗那の香り


それだけで安心できる



「ごめんね、満。あたしのせいで痛い思いさせちゃって…」



そう言えば俺ってなにか怪我したのか?


すると父さんが言った



「運良く、切り傷と打撲ですんだみたいだぞ。すぐに退院できるらしい」


運がいいな、俺





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