アンティークドール



『ないないない・どこにある?』


暗く、低い声でそのワンフレーズから始まった



『思い出せ・記憶を頼りに。探せ・なくなったものを』



なくなったもの…?


『探せ・何かがない。何かが消えている。まるでそれは神隠し…―』



そこまで言うとアンティークドールは目をゆっくり瞑った


そしてまたうっすらと瞳を開ける


『これがヒント。現場にあったはずなのに無いものがヒント。もう気付いてるわよ…なくなった物は』



たしか何かがなくなってた


星麗那も気付いてた



だけどなんだったか?





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