アンティークドール
「や…やめてくれ…」
消されるという恐怖で、ユージの顔は青くなり、汗ばんでいた
「ふ…いい顔…、恐怖に歪んだ…その表情が見れるなんて…」
アンティークドールは腕を上げる
『満君、…食べなさい』
俺はこれ以上見てはいけない気がしてチョコを口に放り込む
『満君…私…あなたの事が…好きになってたみたい…』
途切れ途切れにアンティークドールは笑いながら言う
『…人形なのに…人間の感情を…だけど…楽しかったわ…』
視界が歪むと同時に、アンティークドールはパチンと指を鳴らした
『さよなら…満君…』