アンティークドール
『ワンダーランドにフェアリーがいました』
彼女は何か語り出した
「なんだよ?ソレ。俺はヒントが……」
『黙って聞きなさい』
彼女は冷ややかな、そして感情が全くこもってない目で睨んだ
その瞳に囚われた
身体が勝手に固まった
『彼女は罪を犯しました、盗みの罪を
慌てて逃げました
花の上を通って、花を倒して
しかし…彼女は見つかってしまいました
それはなぜでしょう…?
その秘密は花だけが知っています…』
「この話に意味はあるのか?」
『あるから話したんじゃない…』
「…………」
『その秘密は…倒された花だけが知っている……それがヒントよ』
「…倒されて花が……?」
『じゃあヒントは伝えたわ…私は帰るわね』
フワッとまた甘い香りがした
目の前の彼女は夜風に消えていた