アンティークドール



『ねぇ…ミーシャ…あのこ…結構秀才みたいだわ』


「……ニャァ~」



『私のあげたヒントを、いとも簡単に解いちゃったのよ…』


「ニャー…」



『つまらない…つまらない…つまらない…つまらない…つまらない』



部屋に響く、ただ音程もなく連呼される『つまらない』と言う言葉


それは猫にでも恐怖心をあおる冷たい響き


『退屈だわ…このまま解かせるのもつまらない……どうしてくれようかしら?』




カタン…と彼女は立った

それにつられて影も同じように立つ


必死で本体に追いつこうとする【影】



こんなこと考えるのもなんだけど【人間】になろうとする【人形】


すなわち私みたいで…どこかおかしくて


顔は笑ってないのになぜか笑い声が出た


『ふふふふふ』



退屈だわ


退屈



さて、どうしてくれよう?


たまにはあのこの【味方】になってやろうかしら…?





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