アンティークドール
「……満…」
ドアがガチャッと開き、入ってきたのは今まですごく仲が良かった女性
すなわち、母
「どうしたの?母さん」
ニコッと笑顔で俺は振り向いた
あまり、母さんには心配はかけたくなかったからな
だけど―‐母さんは俺が【笑顔で振り向いた】ことに対して恐怖を感じただろ?
その証拠に一歩、後ずさった
ドアの近くで、足を震わせながら
「……み…満、母さんね…あなたを収容所に預けたいと…思うの」
収容所…?
「……そこだったら…友達も……たくさんできる…し」
「いやだよ…どうしてそんなこと言うの?」
俺の目には涙
水溜まりのように溢れていた