アンティークドール
『今回はどんな用なの?満君』
アンティークドールはチョコレートを食べながら話しかけてきた
「鬼ごっこ…してるんだ…、だからここにいさせてよ」
『別にいいわよ』
彼女にしてはやけに素直に聞いてくれた
彼女にも心があるのだろうか
腕時計をみると1時を回っていた
もう今日か…
『家族と上手くいってないのね』
「………俺は悪魔の子だからな」
『いや、あなたは悪魔の子なんかじゃないわよ』
「…?」
『人間は愚かよね…死がまじかにあると現実逃避を計る…』
「……ありがと」
『別に慰めたわけじゃないわ。ただ、人間の愚かさを語っただけよ』
フンとアンティークドールはそっぽを向く
彼女の表情はかわらない
だけど、照れてるってわかる
こんな一面がアンティークドールにもあるなんて…少しだけ見直した