アンティークドール



「ここは…人形屋かなんかですか?」


俺は緊張で固く閉じていた唇をようやく開き、店主らしき人に質問した



「ふふ、綺麗でしょう…?
まるで生きているようで……。」


店主は愛しそうに人形の頭を撫でながらほほ笑みかける



「…この子たちは非売品なの。
ここはチョコレート店よ、過去を変えられる…。」



過去を変えられる…


そう店主が言葉を発した時、冷や汗が喉元を伝った

ゴクン…

唾をのむ音がやけにリアルに脳内に響く

なぜかはわからない


だけど、とても嫌な予感がする


そう思った俺は、これ以上かかわってはイケない気がして、


「では、俺たちは失礼します。」

と呟くように言葉を紡いで、物足りなさそうな真千を無理矢理引きずりながら店を後にした


帰り際に微かに見えた店主の顔にはは不気味な笑みが浮かべられていた






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