アンティークドール


次の日


もちろん母さんの葬儀があった


母さんははねられて、心臓が破裂してしまっていたらしい


俺は母さんの棺が置かれている部屋に一歩足を踏み入れるだけでも震えた


やっとの事で棺までたどり着き、母さんの顔をおそるおそる覗き込んだ



事故があってから何日と経っていなかったが、外傷はあまり見当たらなかった



俺はゆっくり花を添える

母さんが好きだった百合の花を


いつも俺の机の上に凛と存在感を示すように立っていた百合の花を




アンティークドール…


おまえの存在は、なんて不吉なのだろう…?


彼女の側に行くと、必ずしも不幸が舞い降りて来るのだ



だが、なぜか恨めない


あれほど憎い相手なのに…





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